機能性表示食品はいつからはじまった?起源や特徴などを詳しく解説!

コンビニやスーパーの食品売り場などのさまざまなところで発見できる、機能性表示食品。目にする機会が多いため、名前を知っている、なんとなく聞いたことがあると思うかもしれません。しかし、歴史などの細かい内容についてよくわからないと考える方もいるのではないでしょうか。

今回は、そのような食品について起源や制度の特徴などを詳しく紹介していきます。

(機能性表示食品の原材料について知っておきたい5つのポイント)

機能性表示食品とは

実験や調査から効果があると判断された機能をもつ食品のことです。これは、整腸作用や脂肪吸収を抑えるといった体によい効果をもたらしてくれます。事業者は、消費者庁長官に機能性に関する証拠の提出が必要です。包装の目立つ場所に配置され、届出番号が表示されています。

この届出番号を消費者庁のサイトで入力すると、より詳細な情報を見られるので、1度チェックしてみるとよいです。パッケージの裏面には、1日に摂取する量の目安、摂取方法が記されています。これらをきちんと守り、利用しましょう。

制度のはじまりはいつから?

機能性表示食品制度は平成27年からスタートしました。開始当時から消費者庁に100件程の届け出があり、注目を浴びている制度です。今までは、特定保健用食品と栄養機能食品の2つが健康に関する機能を示していました。

しかし、この新しい制度が加わったことにより、健康の維持に役立つかどうかをわかりやすく表示した食品が増えました。したがって食べ物や飲み物を選ぶ際、消費者の選択肢が広がったと言えるでしょう。

機能性表示食品制度はなぜできたの?

消費者が商品に対して正しい情報を認識しつつ、自分に合った商品を購入できるようにするためです。かつて、健康の維持に役立つ機能をもつと証明されている食品は、特定保健用食品制度のみとされていました。これは機能性表示食品に似た制度の1つで、平成3年に施行されました。

しかし、こちらの数はあまり多くなかったのです。認定には、国の審査や許可が必須で、多大な費用と時間がかかります。非常にハードルが高いので、中小企業などにとってはなかなか難しいかもしれません。したがって、消費者は、自分の健康状態に合う食品を探すための選択肢が限られていました。

そこで、その問題を解決する目的でこの制度は誕生しました。

機能性表示食品制度の特徴

機能性表示食品の対象者は、成人で、病気にかかっていない方です。妊婦や未成年者の場合、対象から外れることは、注意しておきましょう。また、生鮮食品が、機能性表示食品として認定されることもあります。実際、清水農業協同組合が作っている清水のミカンは、2017年1月に認定されました。

β-クリプトキサンチンが、骨代謝の働きをサポートしてくれるようです。木野物産株式会社のおいしく腸活スペイン産紫にんにくにも、おなかの調子がよくなる成分が入っています。機能性表示食品は、生鮮食品を含めたすべての食品が対象となっていてさまざまな食材から摂取できるので、飽きずに食べられそうですね。

人気拡大中の機能性表示食品

機能性表示食品の人気はますます拡大しています。特に2021年度は前年度と比べて出荷金額が約7%増加しました。なぜ、このように市場規模は拡大しているのでしょうか。それは、新型コロナウイルスの感染が拡大したためです。

運動不足に対する対策や免疫に対する関心の高まりも理由として挙げられます。そして、最近では発売直後からヒットするものが多く、実際ビタブリッドジャパンの糖質ケアの食品やアサヒグループ食品の骨密度ケアの商品が、売り上げを大きく伸ばしています。

2004年に発売された伊藤園のお~いお茶 濃い茶もヒットしている商品の1つです。この商品は2019年9月に機能性表示食品として、再度販売されるようになりました。その時から、30か月連続で売り上げが伸び続けています。

どのように評価されるの?

機能性表示食品を登録する際、事業者は、国が決めた一定のルールに従い、安全であるかどうか、どのような機能をもつかなどの視点から評価する義務があります。安全性の評価方法は、動物や人体を利用した安全性試験など3つあります。

なお、薬と食品を摂取したときに、作用を強めないか、副作用が起こらないかといった点も評価されます。機能性は最終製品を用いた臨床試験か最終製品や機能性関与成分に関する文献調査が判断材料です。これにより、科学的な裏付けや摂取方法が明らかになりますよ。

また、事業者は、生産や品質管理の体制をきちんと整え、報告する必要もあります。登録する食品の種類によりますが、加工食品の場合は製造施設、従業員の衛生管理について体制を整えることとなっています。販売後も、消費者庁が評価の項目について監視を行ってくれますので、安心できるでしょう。

トクホと機能性表示食品、どのような違いがある?

消費者庁が許可したことを証明するマークがトクホのパッケージにはありますが、機能性表示食品にはありません。また、情報公開についても違いが見受けられます。トクホでは、事業者の情報公開は、義務付けられていません。

一方で、機能性表示食品はホームページなどで届出内容が公開されます。

(機能性表示食品の届出は販売予定日の60日前まで)

活用する際に気をつけておきたいポイント

機能性表示食品は体によい効果があるので、興味を持った方もいるかもしれません。それらを活用する際は、パッケージに記載されている注意喚起の内容をよく読んでからにしましょう。そして、たくさんの量をとれば、高い効果が現れるわけではありません。

とりすぎることで健康に害を及ぼす可能性もあります。パッケージで摂取目安量をきちんと確認してから、適正量をとっていくことがポイントです。また、健康のためにこれをとるだけでなく、普段の食事のバランスについてきちんと考えることもおすすめします。

ごはんなどの主食や主菜、副菜を基本として、さまざまな栄養素を摂取していき、健康な体を目指しましょう。さらに、機能性表示食品を摂取した際に体調に異変を感じる場合があるかもしれません。その際は、速やかに摂取をやめ、病院を受診するようにしてください。

商品による健康被害を受けた場合は、事業者の電話番号を確認して連絡しましょう。

機能性表示食品の起源や制度の特徴などを詳しく解説!のまとめ

日本における消費者の健康ニーズは年々高まっている傾向です。機能性表示食品をいつもの食事に取り入れることで、健康的な日常を送ってみてはいかがでしょうか。また、規則的な生活を送ることや適度な運動を心がけることも効果が期待できそうですね。

商品によって異なる働きをする機能性表示食品は、期待する効き目に合ったものを選ぶことがポイントです。